畠山美由紀

何しろチケット手に入れられたのは何ヶ月前だっけか。どこかの先行予約でハズレて少し経って他のどこかの先行予約に当たってホッとして。

当日、品川の駅から御殿山方面に小走りし、ギリギリ到着の品川教会グローリアチャペルはまだザワザワと落ち着かず反って多少安心したけれど席に着いてすぐにプレのアクトが始まる。

妹分らしい林夕紀子さんは姉(?)に似つかずパワフル&パッションフルな歌いぶり。紅いドレスや沖仁さんのめちゃうまなギターがフラメンコベースだったためか、ラテンな感じで四曲ほど。とにかく楽器の可能性をフルに活かし切るようなえらいギターでした。

そして畠山美由紀さん登場。教会だから当然十字架があるけれど、ステージ最上段にスッと立つそれは美由紀さんを、ミュージサンを、会場全体を見守るようなたたずまい。ライティングはシンプルだったけど曲に合った色合いで舞台を彩って。
歌声の力。決して力強さは感じさせず、しかしどこまでも永遠に伸びていくような、しかもふくらみのある豊かな声。

演奏の合間、ていねいに曲の背景やエピソードを話すのはいつものことだけど、歌詞を聴いている間に直前のエピソードが思い出され、メロディの情感も相まってか、一筋涙を流してしまったぞ。昔一度、CDを聴いていてそんなことあったけど、ナマでは初体験。教会のふつうに厳かな雰囲気も感極めさせてしまったか。

途中、ポート・オブ・ノーツの相方、DSKが登場してユニットの曲をやってくれたのもうれしかったなあ。ホーンが入ったのも意外によかったし。終盤、プレの二人も混ざったり、時にはげしくドライブし、あるいはスローにたっぷりと、とにかく2006年一番ベストで最高なライブでした。来年も再来年もずっと聴き続けたい、この場で、この人を。

遅い夕食は素朴なスペイン料理店「カサ・デ・マチャ」で。帰り道、コンビニで『キング』。講談社、ひさびさに遊んでるなあ、楽しそうでやばいバブル気配。