“もったいない”から“ありあまる”経済の時代へ?

ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略


梅田さんが取り上げ、徳力さんFPNに上げた時点で、注目されてるはずなのに広まってる気配感じないなあ、"The Economics of Abundance"ってバズコンセプト。
"The Long Tail"ほどインパクトないとか、一目でわからないとか、逆に当たり前過ぎるとか?? それともみんな“Web2.0づかれ”してるのか、それもまだ消化不良なのに、と。

自分は“チープ革命”の後の“民主化”ってのがWeb2.0の本質と思ってるですが、この“ありあまる経済”というコンセプトはそれらを丸ごとひっくるめてマクロにまとめたものと思ったり。

とはいえ、昔の革命は貧しいところで起こったものだけど、まあ、安くなった、タダになったインフラ・リソース、知的財産(APIとか)を手にしたビンボな若者がエスタブリッシュメントな大企業を打ち倒せ!なんてマジになることなく、やりたいことやってたらいつの間にか世の中ひっくり返してたという“革命”ですかね……すっげー大ざっぱ。

世の中ひっくり返したというよりは、平べったくした=“フラット化”化の方が近いかもね、時代の気分的にも。

よくよく考えると米国の経済というか社会はつねにモノもヒトもカネも“ありあまる”状態なわけですね。もちろんないところには全然ない格差社会なわけだけど、全体としての流動性は非常に高い。ブッシュ一族みたいな東部--テキサスではなく--の超エスタブリッシュメントもいるけど、大きな循環は決して止まらない。その流れが噴出してるところの一つがシリコンバレーだったりするのかな。

環境決定論を全面的に採るつもりはないけれど、やっぱ、社会や会社の中のいろんな流動性を高めればおもしろいことが次々自然に生まれてくるはずで。
社会や会社のえらい人にはそういう視点も持ってほしいなあ、やっぱし。……ってベタだけど。

とはいえ、日本は世界に冠たる“もったいない”精神の国なんだなあ。“もったいない”から産まれたもの、“もったいない”に支えられたものが、世界の人たちに共感され、グローバルな市場を席巻しましたね。

だからといって“ありあまる”経済には対応できないだの、新しいものを産み出せないとは思わない。すでにその恩恵をさんざん享受してるわけだしね。期待してください、期待してます。