シンプルに行こう。

戦術系とか括るのは違うと思いつつ、ほとんどの有料の評論家やライター以上にユニークかつ刺激的でおもしろく、考えさせてくれるブロガーに"缶詰にしん"という人がいる。その敬愛するにしんさんがホーム浦和戦について書いてくれてる。「J1(第28節)千葉×浦和 雑感。」。

千葉の両サイドハーフが印象的でした。
深井と谷澤。縦に流れてボールを受け、
対角線に切り込む。それに呼応して巻とミシェウが縦の関係を作る。

というか、巻とミシェウが前陣の中央で存在感があるから
サイドが自信をもって、中に外に
勝負ができているのかな、という感じがしました。

そして

深井の2ゴールはその果敢な中への絞り込みが生み出したもの、
ミシェウのゴールは、巻とともに、
前陣の機能性を証明したようなゴールでした。
(というか、いいゴールが多い試合でしたね。)

実のところ、前陣中央が機能していたのは浦和も同じで
エジミウソンと高原は、なかなかポジションどりがよかったように見えた。
ポンテがもっとからめたらもっと面白かったのではないかな。
だからサイドの平川と相馬も、千葉と同じように、
時に鋭い切れ込みを見せていました。

ただ、千葉のほうが素直というか、単純というか、
取ったらシンプルに縦に出す形が徹底されているのに対し、
(しかも出すポイントが絞られているし、適切だった)
浦和の攻撃は、前に預けてからはそのつど、
個人のひらめきにゆだねられているような印象でした。
結果として、どうしてもサイドからの展開に勢いの差が出た。

素直に、単純に、シンプルに。各々の役割が明確に分解されてるから迷わない悩まない。
スタメンが誰か、交代選手が誰か、それだけでサポ中が監督のメッセージを共有できるほどのわかりやすさ。
何でもかんでもわかりやすければいいってもんじゃないけれど、うちらに必要なのはまさにそれだったと思う。

同じような分析を他でも読んだ。大住良之さんのコラムだ。「J1千葉 全力プレーで快進撃」と。

ミラー監督の指導で急に能力が高まったり、テクニックがついたわけではない。革命的な戦術を身につけたわけでもない。
チームの戦い方はいたってシンプル。基本システムは「4-2-3-1」。相手ボールになると、ハーフライン近辺に1トップの巻、トップ下のミシェウを除く8人で4人2列の「ブロック」をつくる。そして相手がはいってくると猛烈な勢いでプレスをかける。相手1人に、2人、3人の千葉の選手がからむこともある。そして奪ったボールからダイレクトに相手ゴールに攻め込むのだ。
このシンプルな戦術が優勝争いの強豪を倒す力につながるのは、個々の選手が自分自身の力を余すところなく発揮しているからにほかならない。
競り合いのとき、選手たちはけっしてひるまない。ただマークするだけでなく、「絶対にボールを奪う」という強い決意で向かっていく。それがピッチの全面で90分間続けられることが現在の千葉の最大の力なのだ。

(『中日新聞』10月8日夕刊「サッカーの話をしよう」から引用)

とにかく今はシンプルに。
オレらもシンプルに声を出し続ける。