BPOはSaaSなユーティリティコンピューティングの夢を見るのか??

ガートナーが「2007年の展望: BPO市場は自動化、標準化、利益率に焦点が移る」というサンプルリサーチを公開。オリジナルは「Predicts 2007: BPO Market Shifts Focus to Automation, Standardization and Profit Margins」。なかなかおもしろく。

2010年までに、オフショアの労働市場裁定に代わって、プロセスの自動化がBPO契約におけるコスト削減の主要メカニズムになる。


という、そのココロは、以下。

ローエンドのプロセスでの労働市場裁定によるコスト削減は、賃金の急速な上昇に直面しつつあり、長期的に見た場合、企業がBPOで恒久的にコストを削減することが困難になっている。2010年が近づくに従い、自動化されたビジネス・プロセス・ユーティリティ・サービスがオフショアの代替選択肢として急速に浮上してくる。2012年までに、人が実行するBPO機能の割合は50%にまで減少し、標準プロセス自動化ツールとプラットフォームへの投資を速やかに行ったサービス・プロバイダーだけが生き残る。非効率なプロセスや他の場所でより安く実行できるプロセスは次第に機会を失う。プロバイダーは、特に、給付管理、買掛金、業界固有のプロセス (例えば、料金の請求やクレーム処理) などの差別化されないバックオフィス・プロセスについては、拡張性が高く高度に自動化されたプロセス・サポートを提供することが必要になる。

多くの標準的なBPO契約は、個々の顧客向けにカスタマイズされた自動化プロセスを核としている。特に欧州で顕著に見られるオフショアBPOに対する文化的および政治的な反発が、自動化のイノベーション (および普及) を促進する。自動化プラットフォームの1対多の活用性、安定性、モジュール性が、このシフトを実現するために不可欠な要素になる。


ただし、

自動化とコモディティ化は同義ではない。1対多のコア・プロセスの自動化と付加価値を持つ知識労働者のバランスを取り、プロセス変換の専門知識を強化することにより、BPOプロバイダーはコモディティ化曲線よりも常に先を行くことができる。


例えば、

クレーム処理トランザクションの80%は、ルール・ベースのプロセス・ワークフローに従って自動化できる。ただし、残り20%のルールから逸脱した複雑な例外に対応するためには、高スキルのBPOスタッフを最大限に活用した直観的な意思決定が必要になる。この部分のスクリプト化や自動化は不可能である。保険数理の知識も、ルール・ベースではなく、知識ベースのプロセス・サポートを必要とする一例である。


そういうわけでIBMAccentureもそっち方面に向かってるわけですね。

特にIBMはオフショアに高度の専門知識とスキルをもったBPOスタッフを大量に確保すると共に、拡張性が高く自動化されたBPOプラットフォームつまりSaaSインフラ(サーバー、ミドルウェア、そしてデータセンターネットワーク)の開発そして世界各地への配備を進めている。公に見える形でアピールしながらね。