"LOVE or MONEY"

『サカひひょ』最新号のテーマは「サッカーを支えるのは愛? それとも金?」。

いつも後ろから、「へなちょこフーリガン」と次に「センチメンタル合唱団」読んで、先頭に戻るのがお約束だったのに、最初、つい親父さんの編集長インタビュー(10ページ!)が目に入ってしまって読み終わり、順々に行きつ戻りつ読み終わってしまい。

あぁ、おもしろかった。

冒頭はクラブ経営論、欧州とJと。オランダ、トルコ、ロシア、豪……各国リーグの事情も短くアップデートしつつ。明るい未来がありそうなのはMLSだけか。

そしてホッフェンハイムブンデスリーガ。金+(地元)愛のポジティブスパイラルで強くなった好例だけど経営のプロを招き地域密着を促すリーグの土壌があってこそとも思えたり。
アルゼンチンのクラブはパトロン探しに血眼な一方、カタールでは過剰なサッカー熱・クラブ愛そしてオイルマネーのアンバランス。

商業主義と忠誠心。プレミアもセリエも抱える問題は、質量面での差はあれどJも共通か。名良橋・氏家が金と愛を語る。藤田俊のサッカー愛に藤田株式会社社長の郷土愛。
他、登場するJの選手は宇留野に森山に船越に。西村卓郎の物語も続いてる。宇留野、すげーな(泣。

日本のサポの“愛"の形は宇都宮さんのレポートで。ベレーザサポ、埼玉在住のFCプリメーロ(福島)サポ、日立ビルシステム(都一部)の一人サポ。この人たちヘン……って思われてるんだろうなあ。>オレたち

サポ話と言えば「センチメンタル合唱団」。そうだなあと思いましたよ。

選手たちは「サポーターのおかげ」と言ってくれる。これはサポーターのモチベーションを支える重要な言葉だし、この上なくうれしいけれど、あえて書かせてもらいたい。それは間違いだ。サポーターの力だけが強過ぎたとしたら、多角形は多角形のままで、あの丸っこい感じは生まれなかったはずだ。(p105)


今のギザギザが丸っこくならないとなあ。先ず明日から。

Jリーグのメディア戦略」の後編もよかったけど、秀逸と思ったのは「日本のスポーツジャーナリズム」。木村さんが朝日の論説委員だった轡田さんって人と話してる。浦高〜早大で現前カピタンや現チェアマンと一緒に蹴ってた人。おもしろい爺さんだ。

轡田 (略)サッカーというスポーツの面白さを伝えるには否応なしに世界のことを考えないとダメだなと。それでいくと最近非常に疑問を感じた典型的な例が、この間オシムさんが帰国した時の一般紙のあつかい方ね。あれは少なくとも僕の感覚だったら社会面のトップに「オシムさん、さようなら、ありがとう」ってなる。いろいろ教えられたこと、これからどうしていくのかという思いを込めて書きましたよ。(p94)


そんな記事が読めなくて残念だった。

轡田 (略)サッカーというものから世界を覗いていくと、あっという間に境界が取り払われるわけですよ。スポーツなのか、世界の出来事なのか、歴史なのか。境界がないわけだから。狭い境界の中に閉じこもってやっていると、今話したようになって、全くそういうものに関心が持てなくなってしまう。(p95)


親父さんのインタビューの言葉と重なる。

そもそもサッカーというのはプレーだけじゃないんだ。それは政治的、、社会的な現象でもある、つまり様々な問題をサッカーをもって解決できる。この現在、サッカーの持っている価値を無視することはできないんだ。(p33)


……いつかグラーツ行きたいなあ。