第二段階SNSのネット支配が始まるのか。

日経産業新聞で「ネットNEXT 未来の新常識」という新シリーズの連載が始まった。その初回のタイトルが「SNS膨張、OSのむ。

全世界で人気を集めるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。五月末、SNS世界第二位のフェースブックは、誰でもSNS上に好きなソフトを組み込んで、動かして良いとする「開放路線」を宣言、衝撃を与えた。フェースブックを「ウィンドウズ」のようなOS(基本ソフト)に見立てて、対応ソフトや新機能が開発できるようになる。
狙いはSNSをOSに代わるプラットホームにすること。いずれはSNSから「オフィス」のような統合ソフトを呼び出せ、情報共有、スケジュール管理も自由自在。ゲーム、地図、スライドショーでも何でもいい。
公開から一カ月余り、ユーザーによる対応ソフトが早くも一千種以上登録された。ユーザーを囲い込む力が極めて強いSNSならではといえる。反響は大きく、メディアは「SNSマイクロソフト、グーグルに取って代わる」とはやす。

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「ネットNEXT 未来の新常識(1)――SNS膨張、OSのむ」〈日経産業新聞07/07/03〉


うーむ。Googleこそ"Web OS"としてWindowsを喰うというのが、少し前までの定説、共通認識(?)で、だからこそMSもあわてて「Windows Live」だの立ち上げたはずだったのに。まさに「フェースの衝撃」。

しばらくブログのチェックも甘かったので「メディア・パブ」さん開いたら、6月30日付けで「Facebook旋風,米国のWebアプリ市場を変える勢い」なんてエントリー。

このようにFacebookのオープン化プラットフォームが起爆になって,WebアプリケーションをWidgetを介して提供する動きが活発になろうとしている。


そして昨日(7/2)付けで「GoogleやMySpace,Facebookへの流れ阻止に動き始めた」と。

サードパーティーWidget(ウィジェット)クリエータが,Facebookプラットフォーム向け開発に雪崩れ込んでいる。今なら,Facebookのアプリケーションディレクトリーにちょっと気の利いたWidgetを登録すれば,100万人くらいのユーザーを獲得することも珍しくないからだ。


GoogleやらYahooやらあれやこれやからの買収の噂(または事実?)があったFacebookでしたが、結局、独立していて正解だったということかな。いや、だからこそ買収をハネつけた(?)のかも知れないけど。

では日本では?ということで元記事に戻ると、

国内最大のSNSサービス「ミクシィ」。サービスを構成するプログラムの中核部品で、アプリケーションソフトを動かすカギになるAPI」の公開を検討している。笠原健治社長は「SNSはOSみたいなもの。その上で様々なサービスが動くことに価値がある」と語る。
「ネットNEXT 未来の新常識(1) ミクシィ社長笠原健治氏に聞く――人と人結束、SNSに強み」〈日経産業新聞07/07/03〉


ちゃんと見て考えてるようにみえるかな。

グーグルがウェブの力でマイクロソフト支配に戦いを挑んでいる。そこへSNS、ウェブOSという第三の勢力が参入した。OSに左右されないプラットホームがにわかに現実味を帯びてきた。

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「ネットNEXT 未来の新常識(1) ミクシィ社長笠原健治氏に聞く――人と人結束、SNSに強み」〈日経産業新聞07/07/03〉


そういえばネットバブルの2000年前後、国内の大手ISPがこぞってネットに“一千万都市建設”なんてお題目をうたってた。今、mixiはそれを実現したんだなあ。少なくとも形の上では。
"OS"という呼び方がよいかどうかはさておいて、ネットのサービスプラットフォーム戦争に無視できないスケールでもって新たなプレイヤーが参戦する。その流れはエンタープライズの領域まで波及すること必至ですね、要注目。